抗HIV療法では、その開始を決定したら、強力なHAARTによって、血中ウイルス量をできる限り長期に検出限界以下に抑え続けることが目標となる。この目標は、患者が規則正しい服薬を続けることによってはじめて達成することができる。
抗HIV療法の決め手となるのはすなわち、服薬アドヒアランス
*であるといっても過言ではない。
HIV感染者では、自覚症状がないため、治療による症状改善もあまりみられない、にもかかわらず副作用だけが現れることも多い。感染の事実を知らない人の前で服薬しにくい、経済的負担が大きい、定期通院がしにくいといった問題もある。そのため、服薬を続ける意志を維持するのが難しい。
定期的な服薬の維持ができなければ、治療効果が落ちるだけでなく、薬剤耐性ウイルスの出現を招き、交叉耐性により将来の治療の選択肢を減らすことにもなりかねない。
患者が積極的に治療方針の決定に参加し、自らの意志で服薬を続ける現在の抗HIV療法では、アドヒアランスの維持こそ、治療成功の鍵といって良い(
表14)。